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2011/12/01 09:27

[週刊BCN 2011年11月28日付 Vol.1409 掲載]

Special Issue

普及期を迎えたクラウドサービス 販売体制の構築が急務 (1/2)

 IT投資に対する企業の意識は、確実に変わりつつある。とりわけ、3月11日に発生した東日本大震災以降、ITリソースを保有しない経営への転換に拍車がかかっている。事業継続や災害対策といった観点から自社内に設置したシステムをアウトソーシングする傾向が強まっているのだ。国内IT市場が停滞するなかで、国内クラウドコンピューティング/SaaS市場は持続的な成長が期待できる。さらに、基幹系業務システムの領域においてもクラウドは無視できないものとなっている。ここ数年で、ベンダーはクラウド環境でのシステム運用サービスを打ち出し、中堅・中小企業への提案活動を強化している。サービスに対する企業の選択肢が増え、クラウドサービスは普及期を迎えている。

国内SaaS市場は2ケタ成長が続く

 2011年、IT業界のみならず日本で最も記憶に残りそうな出来事──。ベンダー幹部が2011年を振り返る際、必ずといってよいほど話題に挙げるのが、日本経済に多大な影響を与え続けている東日本大震災だ。

 大震災は、国内IT市場に暗い影を落としている。調査会社のIDC Japanによると、2011年の国内IT市場規模は、前年比マイナス1.6%の12兆4797億円となる見込みだ。

 一方で、高成長を維持するとみられているのが国内SaaS市場である。調査会社のミック経済研究所は、2013年度まで2ケタ成長が続くと予想する。すでに、顧客管理やウェブ会議システムは、SaaS型市場がパッケージ型市場を上回った。

 SaaS市場のなかで伸びが著しいのは情報系SaaS市場である。2010年度から14年度までの年間平均成長率(CAGR)を20%弱と予測している。今後は、ERPなどの汎用型業務系SaaS市場も大きな伸びが期待できる。

パートナービジネスの変革へ

 クラウドサービスがもたらす価値はいくつか挙げられる。ビジネススピードの向上やセキュリティ・ガバナンスの向上、TCO(総所有コスト)の削減、新規ビジネスの創出などである。ただし、クラウドによるTCO削減はあくまでも出発点に過ぎないことに留意しておく必要がある。

 基幹系業務システムのSaaSアプリ(クラウドサービス)の提供に乗り出すベンダーが続々と登場しており、市場は活況を呈している。企業の間でも、クラウドに対する理解が深まってきた。

 クラウドサービスの盛り上がりに合わせて、求められるようになってきたのがパートナービジネスの変革・創出だ。しかし、ベンダーサイドが抱える課題もある。明確な事業プランをもたないまま、形だけでもクラウドサービスを揃えたというケースが少なくないからだ。成功のカギを握るのは、事業立ち上げシナリオを描いたうえでのベンダー同士の協業モデルやパートナー企業との連携である。

 すでに、クラウドサービスの豊富な提供実績をもつ独立系ソフトウェアベンダーは、販売店のビジネスメリットを考慮した料金体系を用意。高可用性を売りに、着々と事業を成長させている。

 オービックビジネスコンサルタントや弥生などの業務アプリケーションを運用しているインストラクションは、データセンター事業者と販売店との協業を通じて、新しいクラウドビジネスモデルを創出しようとしている。その詳細を次ページにレポートする。

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