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2012/09/27 09:11

[週刊BCN 2012年09月24日付 Vol.1449 掲載]

Special Issue

サイオステクノロジー中国 中国HPと協業 クラスタソフトを全土に拡販 日系ベンダーと連携を模索

【北京発】サイオステクノロジー(喜多伸夫社長)の中国法人である賽欧思(北京)科技(岩尾昌則・董事長兼総経理)は、中国ヒューレット・パッカード(HP)と販売代理店契約を結び、自社の「事業継続ソリューション」を中国ローカルベンダーを通じて現地中国企業への拡販に本腰を入れている。中国では、2008年に発生した四川大地震などを契機に、システム復旧需要が旺盛だ。賽欧思(北京)科技は、中国HPに自社製品を卸し、HPサーバー製品などとの併売で中国の代理店が販売する体制を整備。今後、中国企業の開拓ですでに実績のある日系のシステムインテグレータ(SIer)とも協業して、中国の市場を切り開く。

メーカーの代理店が販売

岩尾昌則
董事長兼
総経理
 サイオステクノロジーが北京に現地法人を設立したのは2009年11月。08年5月に発生した四川大地震などを契機として、同社の「事業継続ソリューション」であるクラスタ(冗長化)ソフトウェア「LifeKeeper」やバックアップソフト「DataKeeper」が、災害や障害発生に備えたシステムとして普及するとの判断に基づいての施策だ。

 2010年には、サイオスの製品を在庫として購入し、販売してくれる中国ローカルの小規模ベンダーを代理店として獲得したり、その代理店を通じて中国のデルに納入し、同社からの販売を展開するなど、中国企業に対する販売実績を積み重ねてきた。ただ、小規模ベンダーの販売力が弱く、製品の在庫が滞留し始めたため、販売力のある大手ベンダーとの取引を急ぎ、「当社製品との相性がよいサーバーのメーカーに取り扱ってもらおうと、粘り強く交渉を重ねた」(岩尾・董事長兼総経理)。その結果、中国HPとの契約にこぎ着けた。2010年の1年間はこの交渉に全力を注いだ。このため、11年は10年に比べて売上高を落としてしまった。しかし、12年1~6月期は、売上計画値以上、前年同期比で2倍以上の実績を上げたという。サイオステクノロジーがクラスタソフトとバックアップソフトを伸ばすことができた要因は何か。

 中国HPとの契約では、サイオスの「LifeKeeper」と「DataKeeper」が中国HPのテクニカルソリューション部門の「注力商品」に指定された。これにより、中国全土に広がる中国HPの販売チャネルが一斉に販売を開始し、同時に中国HP主催のセミナーに積極的に参加するなどで、一気に全国規模で知名度が高まった。岩尾・董事長兼総経理は、「中国ローカル企業からの指名買いは少ない」との理由で、中国内で活躍するメーカーや代理店を通じて、製品名や機能の良さなどを伝える方法が最良の策という。

日系ベンダーとも協業へ

 サイオスの主力製品「LifeKeeper」は、外部ストレージを共有ディスクとして用いる一般的なHA(高可用性)クラスタシステム構成だ。一方の「DataKeeper」は、データの複製をリアルタイムに行って、障害直前までのデータを保護する。この両製品を組み合わせることで、外部ストレージを必要とせず、安価にクラスタシステムを構成することができる。

 日本国内では、一般的なクラスタとバックアップに比べて安価で扱いやすく、幅広い層の顧客に導入されている。だが、中国市場のなかでもとくに中国ローカル企業となると、「費用対効果」を売りに日本国内と同じ販売実績を上げることは容易でない。「LifeKeeper」には強力な競合製品がある。中国市場でシェア50%以上を握るといわれ、「LifeKeeper」の半値以下の「RoseHA」がそれだ。そこでサイオスは、中国ローカルベンダーの“売り手の論理”をくすぐる作戦に出たのだ。

 岩尾・董事長兼総経理は、「当社の『LifeKeeper』でサーバーを二重化する。その際、複数のサーバーとストレージなどハードウェア製品を同時購入する必要がある。当社製品を提案して併売すれば、1案件あたりのシステム・ボリュームが増える」と話す。つまり、販売代理店の利幅を高めることに成功したのだ。

 現在、両製品の案件は常時、中国全土で200件以上が同時並行で動いている。このうち、仮想化対応も含めたサーバー20台以上の大型案件が複数導入できている。導入企業は、製造業や運輸、教育、媒体・サービス業、不動産、金融・保険、医療、郵政・通信など、政府系の中堅・大手企業を中心に広がっている。

 同社は、中国ローカルベンダーの開拓を優先していたために、今まで開拓してこなかった日系ベンダーとの協業を開始してボリューム増加をねらう。すでに、日本の大手メーカーとそのメーカー系販売会社との話が進んでいる。岩尾・董事長兼総経理は「日系ベンダーと組むことで、中国ローカル企業だけでなく、日系企業も販売対象として中国内での業績を伸ばす」と、中国内での販売協業を呼びかけている。

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