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2013/10/10 09:14

[週刊BCN 2013年10月07日付 Vol.1500 掲載]

Special Issue

<ビッグデータ特集>Agoop 「つながりやすさNo.1」を支えた技術を活用 エリアマーケに適したビッグデータソリューションとして提供

 ビッグデータソリューションに強いソフトバンクグループのAgoopは、エリアマーケティングのためのビッグデータソリューションの販売を強化する。既にグループ会社のソフトバンクモバイルでは、Agoopのビッグデータソリューションを採用。新たな通信基地局の設置計画立案に活用し、「つながりやすさNo.1」を実現した。Agoopは、この通信事業者向けの超ビッグデータの解析で得たノウハウと独自技術を応用したビッグデータソリューションを、流通・小売業に関わる企業ユーザーを中心に提供することで、エリアマーケティングの効率改善に生かしてもらおうとしている。Agoopがもつビッグデータソリューションの強みとは?


隠れたニーズを顕在化 電波改善ノウハウを海外に

代表取締役社長
柴山 和久 氏
 Agoopは、ビッグデータの解析に強いBIプロバイダーだ。最大のユーザーはソフトバンクモバイルで、電波のつながりやすさ向上に必要な通信基地局を、効率的に設置するためのエリア解析データをソフトバンクモバイルに提供している。

 当初はエリアマーケティングに活用する目的でスマートフォンアプリ「チェッカーシリーズ」をリリース。ところが一部エリアで地図が表示されない事象が発生しクレームとなる。しかし、逆転の発想により、電波がつながらない場所がピンポイントで把握できる点に着目し通信状況把握のための分析へと転回した。「改良に改良を重ねて磨き上げた」(柴山和久社長)と自負する自社アプリは、現在350万ダウンロードを超えた。チェッカーシリーズとヤフーの防災速報アプリから収集した月10億件に及ぶ通信状況のログをエリア特性に応じた解析を行い、ランドマーク情報や月2万件のクレームデータと組み合わせてソフトバンクモバイルに提供し、新たな通信基地局の設置候補場所の選定に活用されている。

 電波改善の対策は、電波が弱かったりパケ詰まりが発生したりしている場所に基地局を建てれば解決するというほど単純な問題ではない。同じ場所でも時間によって、そこに滞留する人の数は増減し、実態として流動する人口をきめ細かに分析する必要がある。またクレームは、自宅や通勤先の電波状況の改善を求めるものが大半で、一時的に訪問する観光スポットなどはクレームとして顕在化しにくく、その場所を訪れる流動人口が多くてもクレーム比率としては少なく見える傾向がある。

 一方、既存のエリアマーケティング手法では、国勢調査データを利用する手もあるが、時間で変化する流動人口の解析には不向きだ。電波を改善するには、通勤ラッシュ時の駅など、最も多くの人がいる時間帯とその場所を的確に見つけ出すこと。さらに、同じエリアでも朝昼夜での混雑状況の違いについても把握が必要となる。平日と休日、季節など、異なるタームでの検証も求められてくる。例えば、休日は商業施設や観光地に人が集中するが、国勢調査の人口統計をそのまま反映させると、ディズニーランドや箱根などの観光スポットは人が少ないと判断されてしまう。

 「当社は、こうしたさまざまなデータの分析から、エリア特有の障害や、ピンポイントのわずかな課題点も探り出し、設備計画の的確な位置を提案している。これによって、スマートフォンや携帯電話の接続率が向上し、『つながりやすさNo.1』に貢献することができた」(柴山社長)という。今後は、この電波改善で得た知見を、海外の基地局ベンダーや携帯キャリアなどにも訴求していき、世界へ打って出る。

店舗設計のあり方が劇的に変化 埋もれていたデータが蘇る

 Agoopは、このビッグデータ解析技術を通信事業者以外のユーザー企業にも提供していく。ビッグデータソリューションの国内展開では、シンクタンクやBIツールベンダーなどと連携して普及を図る考えだ。「企業が蓄積保有するデータとマッシュアップし、解析・可視化して的確な経営判断ができるデータを提供する。電波改善で実績を積んだノウハウを、多くのユーザー企業に提供したい」(柴山社長)という。

 例えば、流通・小売業。Agoopが毎日取得している実態流動人口のデータと、企業が保有するPOSデータを照合することで、店舗ごと、商品ごとに緻密な調達計画を立てることができる。「駅前の人の流れを曜日・日・時刻単位まで把握できたり、近隣にオープンした施設の影響が自店舗における商品ごとの売り上げにどの程度影響があったのか、どこでプロモーションをかけると成功するのか、どのような趣味や属性を持ったユーザーが街に多いのかなどの情報を取得して分析できる。これは、携帯電話の通信基地局をそのまま店舗に置き換えることで応用可能、データの解析手法は基本的に同じ」(柴山社長)である。

 しかし、企業はこれまでさまざまなデータを蓄積保有しているにもかかわらず、それを活用して成功した事例が少ない。なぜ、マーケティングに活用されてこなかったのか。「日本の企業は、ソリューションやシステムの導入には投資するが、そこから生み出される情報の活用に投資するという考えが浸透してこなかった。サービスを提供する側が効率化だけでなく、そのデータから相関性、規則性や課題点が新たに導き出されるという有効性をきちんと説明していなかったことに原因がある」と柴山社長は分析する。

 最近は、高度なデータ分析を行うことができる技術者を「データサイエンティスト」と呼んで、注目が集まっているが、データサイエンティストの多くは分析が専門で、経営課題まで突っ込んだ話ができないことが多い。しかし、こうしたソリューションを経営陣が納得できるかたちで導入するためには、そこまで踏み込んだプレゼンが不可欠となる。「データをグラフではなく、地図上に可視化した状態で見せるなど工夫が必要になる。このような働きかけをパートナーとともに人材育成含めて進めていきたい。アプリによるデータ収集、解析、可視化という一連のプロセスをオール・イン・ワンで提供できる強みを武器に、パートナーと協業してビッグデータソリューション市場を活性化させたい」と柴山社長は意気込みを示している。

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