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2015/12/29 00:00

[週刊BCN 2016年01月04日付 Vol.1610 掲載]

Special Issue

サイボウズ青野慶久社長と営業部門の幹部がその狙いを語る

 サイボウズが独自開発したクラウドサービス基盤「cybozu.com」は、2011年11月に提供を開始して以来、すでに有料契約数が1万2000社を超え、パートナー数も昨年の170社から223社(2015年9月末)へと増加し、順調に拡大している。「16年はパートナーの数を増やす段階から、シナジーを生み出す段階へと進む。各パートナーの特色を生かしてパートナー同士をマッチングし、当社関連ビジネスを最大化していく」と青野社長は力を込める。今年掲げるテーマは「Ready for Next Jump ~ Connect」。従来のスローガンに、「Connect」という新たなキーワードをプラスした形だが、その狙いはどのようなものなのか。青野社長と中原裕幸常務執行役員、栗山圭太営業本部長という営業部門の幹部に語ってもらった。

「変化への覚悟」を問う社会提言

青野慶久
代表取締役社長
 サイボウズが2012年から開催している年次プライベートイベント「cybozu.com conference」。15年11月に開催した「cybozu.com conference 2015」会場には、東京・大阪で4125人が来場した。同社の取り組みにこれほど高い関心が集まる理由の一つが、青野社長が訴え続ける「ワークスタイルを変える」という社会への提言だ。

 「日本が抱えている社会問題の多くは、クラウドで解決できる」と青野氏は語る。クラウドがあれば自宅で働くことも可能になり、場所を選ばずに仕事ができるため、たとえば地方にいてもコミュニケーションや連携がとりやすくなる。そして、「クラウドいりませんか、では気づいてもらえないが、日本社会で継続している問題から迫れば、クラウドニーズを掘り起こすことができるはず。こうした働き方まで考えた提案ができるベンダーは限られている。今、経営者が求めているのは自社のホワイト化。ホワイト化できないと人材を採用できないし、採用してもすぐに退職してしまう」と訴える。

 サイボウズ自身、05年以降、ワークライフバランスに配慮した制度や、社内コミュニケーションを活性化する制度を採り入れた結果、離職率が28%から5%に低下したという実績がある。パートナーにもチャレンジする企業が増えており、人事制度を教えてほしいといった声も寄せられているという。「サイボウズのパートナーは、製品がよいとか単に売れるからといったところだけではなく、サイボウズの文化に共感して扱ってくれるところが多い。それがわれわれの誇りだ」と中原常務執行役員は胸を張る。

パートナー同士をつなぐ

中原裕幸
常務執行役員
 今年新たにスローガンとして掲げるConnectは、「集まった点を線へ、そして面にしていく活動だ」と中原氏は力説する。「情報系と基幹系のシステムをつなぐこと、販社やSIerと技術者を結びつけたり、さらにパートナーのなかの販売部隊と技術部隊といった組織同士をつなぐなど、あらゆる活動に取り組んでいく」という。

 「クラウドの普及とkintoneによって、cybozu.comの事業環境は大きく変化した。新しいパートナーと組めるようになり、パートナーの数が増えただけでなく、地域、領域、業界とも多様になった。そのネットワーク化が、Connectの一つの取り組みである。“数を増やす”段階から“シナジーを生み出す”活動を本格化させていく」と青野氏は宣言する。

東京本社オフィスのエントランスホール「サイボウ樹パーク」


 15年7月の東京日本橋タワーへの本社移転も、そうした取り組みの一環だ。「Big Hub for Teamwork」をコンセプトとする新オフィスは、異業種の人々が集い、新しいアイデアを出し、共同で価値を創造する中心拠点になることを狙う。「実際、去年よりも多くの方がご来社され、政治家や官僚、著名人など見学者も多彩になった。クラウドを活用して何をするかを議論している」と青野氏は説明する。

栗山圭太
営業本部長
 同社では、パートナーのサイボウズ関連ビジネスが最大化する取り組みを推進するため、パートナー営業部内に、Connect専属のチームを新設した。栗山営業本部長は、「今やサイボウズ全体の売り上げの70%以上を占めるほど、パートナーは重要な存在。チームのメンバーは、各パートナーの特色を熟知しており、どのパートナー同士のビジネスがマッチするかを分析して、パートナーミーティングなどの会合時に、パートナー同士をつなぐ場をセッティングしている。すでに、いくつもの成功例が出ている」と成果を語る。

 栗山氏によると、kintoneの営業担当は最近、パートナーに「売ってください」と言うことが少なくなる一方で、「これを使って何かできませんか」という問いかけをするようになったという。「うちでは今こうしたことをやっている、それなら、一緒にやりましょうという話に発展するようになった」と栗山氏はアピールしている。

基幹業務や大規模システムに「kintone」が浸透

 4年前の立ち上げ当初、cybozu.comでは中小企業がユーザーの多くを占めていたが、昨年から1000ユーザーを超える大規模な契約企業が増えてきた。また、kintoneを基幹業務システムの構築に活用する例も目立つという。青野氏は、「ただし、kintoneだけで基幹系を本格的に変えることはできない。そこで、SIerがもつソリューションやノウハウとの組み合わせが大きな役割を果たす。パートナーのSI力を生かし、手間のかかる画面などを『Fast&Easy』が特徴のkintoneで開発することで、システム開発の生産性を大幅にアップできる。実際、ユーザーの面前で開発を行ってコンペに勝った事例もある」としている。

 kintoneには、セキュリティ、データベース、アプリケーションプラットフォームが揃う。そこでパートナー同士の協業でも、双方がkintoneを扱っていればビジネス面でもシステム面でもつながるのが早く、新しいビジネスを最速で立ち上げることができる。

 サイボウズでは、パートナーを支援するため、kintoneやクラウドに関するトレーニングを充実させている。青野氏は、「導入事例が増えて、業種・業務に特化したノウハウが蓄積してきた。15年はそれを事例集にまとめたところ、とても使いやすいと多くのパートナー様にご好評いただいた。16年はこれを実際に使えるテンプレートとして、広く公開していきたいと考えている。多種多様なひな形を山ほど揃えることで、パートナーの方々がお客様に提案する際にイメージが広がるようにしたい」との考えを示す。さらに、地域のパートナーに向けた支援でも、仙台、松山に営業拠点を開設、また、大阪には営業所と開発拠点を統合した新たな事業拠点を開設し、本社、名古屋、福岡を合わせ、全国6拠点による支援体制を整えた。生まれ始めた“Connect”を、クラウドの力でさらに後押しする。サイボウズは今年、パートナーシップの新たな姿を描こうとしている。

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