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2016/06/02 09:14

[週刊BCN 2016年05月30日付 Vol.1630 掲載]

Special Issue

クラウディアン ディープラーニングとオブジェクトストレージによる 新たな可能性 リアルタイムターゲティング広告に向けプロジェクト発足

 クラウディアンは、ディープラーニング(深層学習)と主力のオブジェクトストレージを組み合わせて新たな可能性を見出そうとしている。まず、クラウディアンを含めて4社と屋外広告実証実験プロジェクト(OOHプロジェクト)を発足。ディープラーニングを活用した屋外広告実証実験を開始する。第一弾は、ビデオカメラの映像からリアルタイムに車種を判別し、所有者に最適化した広告をデジタルサイネージで表示させるものだ。実験システムの開発、ビッグデータの保存・分析の核となるオブジェクトストレージの可能性などについて、太田洋・代表取締役CEOに聞いた。

屋外広告に新たな価値を生む
ディープラーニング

 これまでのデジタルサイネージによる屋外広告は、ターゲティング広告が困難だったといわざるを得ない。そこで、OOHプロジェクトではディープラーニングによるAI(人工知能)とIoT(Internet of Things)が集める膨大な画像情報と属性情報、高速にビッグデータを保存・分析するソフトウェア技術とハードウェアを最適に組み合わせて活用して、屋外でのターゲティング広告の実用化を目指すことになった。プロジェクトの参加企業は、クラウディアンをはじめ、電通、スマートインサイト、Quanta Cloud Technology Japanの4社だ。


 電通がディープラーニングを活用した屋外広告の企画・販売、媒体の開発、クラウディアンがディープラーニングを活用したシステムの開発とオブジェクトストレージ「CLOUDIAN HyperStore」の提供、スマートインサイトがデータ統合&ディスカバリ製品「Mμgen」の提供と屋外広告最適化のための分析支援、Quanta Cloud Technology Japanがディープラーニング用高性能サーバーなどを提供する。また、インテルがディープラーニングをCPU上で高速演算するための次世代高速ベクター処理技術で協力する。

太田 洋
代表取締役
CEO
 プロジェクトでは第一弾として、屋外設置ビデオカメラの映像からリアルタイムに車のメーカー名、車種、モデル名などを高精度でなおかつリアルタイムに認識・判別し、車の所有者の関心が高いと思われる広告を、道路沿いのデジタルサイネージにタイミングよく表示する実証実験を東京都内で実施する。

 「これまで屋外広告は『マス』に向けて事前に決めたスケジュールに従って流しているだけだった。そこにディープラーニングを加えることで『ターゲティング』が可能となり、広告価値を判断できるようになるなど、新たな価値を生み出すことができる」と太田代表取締役はメリットを強調する。

IoT時代のデータ活用基盤に
不可欠なオブジェクトストレージ

 ディープラーニングの教師データに必要となる、IoTが集める映像をはじめとしたセンサ情報と属性情報は、従来のRDBMSが扱うデータとは異なる「非構造化データ」で、膨大な量だ。このビッグデータを保存し、ディープラーニングの学習や分析のための環境構築に最適なのが、オブジェクトストレージとなる。

佐藤剛宣
R&D
プリンシパル
ソフトウェア
エンジニア
 データをブロック単位やディレクトリの階層構造で格納する従来のブロック/ファイルストレージなどと異なって、オブジェクトストレージはデータをオブジェクト単位で扱い、ID(識別子)と属性情報(メタデータ)を付与して一括管理。ペタバイト級の非構造化データをオブジェクトとして、場所などの制約を受けることなく広域かつ安全に分散配置することができる。また、オブジェクトごとに属性情報を付与できるため、データ管理を効率化でき、検索も容易だ。

 「IoT、ビッグデータの活用基盤において企業が扱うデータが画像、音声、ウェブコンテンツなど大量の非構造化データが主流となってハイブリッド化が進んでいるなか、効率の高い分析を行ううえでオブジェクトストレージの果たす役割は大きい。ディープラーニングによる認識・判別と属性情報を連携することによって、さらに分析効率を高めることが可能となる」と佐藤剛宣・R&Dプリンシパルソフトウェアエンジニアは説明する。

 クラウディアンは、オブジェクトストレージのスペシャリストであり、製品は国内外のサービスプロバイダのクラウドストレージサービスをはじめ、大手企業のストレージ基盤として数多く採用されている。

交通量や消費者の行動分析など
幅広い展開を計画

 プロジェクトでは、デジタルサイネージへの広告配信だけでなく、さらなる活用を目指す。その一つが交通量調査だ。時間帯別・車種別交通量や走行速度も自動計測して、数値化することが可能になるため、人手による計測データとは異なり、長期間にわたり正確な交通量の把握ができるようになる。「自治体や企業の出店計画など、交通量調査の需要は少なくない。そうしたニーズにも応えれば、ディープラーニングでストレージの新たなビジネスを提案できる」と太田代表取締役は語る。今後は、自動車のターゲティング広告とショッピングモールや観光地での行動アトリビュート連動や、人(消費者)の行動分析などについての実証実験も計画している。

 蓄積した膨大な映像データなどは、現場から生のデータをそのままデータセンターに送り続けて分析するにはあまりにネットワーク負荷が大き過ぎる。そこで、クラウディアンでは現場でデータをディープラーニングなどでリアルタイムに認識・判別・分類(スマートデータ化)して、利用し易いデータに加工する「エッジ」での処理が進むと捉えている。

 「エッジ処理を含めた分析モデルをソリューション化して提供することを模索している。さらに、グローバル展開も進めていきたい」と太田代表取締役は意欲を示している。

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