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2016/07/12 18:40

Special Issue

エフセキュア、パートナーと協業で自治体向け販売を強化、「強靭性向上モデル」に対応

 法人向け事業を中心に展開するセキュリティベンダー、エフセキュアのビジネスが好調だ。「自治体情報システム強靭性向上モデル(強靭性向上モデル)」への対応に追われる地方自治体に向けて、クラウド型セキュリティソリューション「プロテクション サービス ビジネス(PSB)」やオンプレミス型ソリューションなど製品・サービスの拡販・提供拡大を進めている。2015年6月の就任から1年を迎えたキース・マーティン・カントリーマネージャに戦略を聞いた。

営業体制の再編で、きめ細かな対応を目指す

 エフセキュアは、フィンランドに本社を置くセキュリティ対策ソフトベンダー。グローバルでのエフセキュアの業績は好調で、とくに伸びているのが欧州と日本の法人向けビジネスという。

 日本法人の代表を務めるマーティン・カントリーマネージャは、IT系のグローバル企業の日本法人で20年にわたって営業とマネジメントの経験を積んできた日本通だ。

 「就任から、とくに力を入れて取り組んできたのがパートナーとの関係強化で、ようやく、その手ごたえがみえてきた。単に当社製品を取り扱う販売店数を増やすよりも、1次店の方々にフォーカスして、互いのビジネスにプラスになるよう、細かなケアをすることに注力している」と語る。

 具体的な取り組みでは、4月に営業グループを新規ビジネス開拓に取り組むCA(Customer Acquisition)部門と、既存顧客との関係強化にあたるCS(Customer Service)部門の二つに分けて、それぞれきめ細かな対応ができる体制を整えた。従来、大型案件などは案件単位で協業が終わるケースも少なくなかったが、新体制によって継続したパートナーシップを組み、お互いにビジネスのさらなる発展につながるような関係を築いていく方針だ。

 日本法人の売り上げで9割近くを占める法人向けビジネスの柱となるのが、クラウド型セキュリティソリューション「PSB」、パッケージ型の「ビジネス スイート」、そして、Linuxサーバー向け製品だ。

 エフセキュア製品の強みは、独自の「ディープガード」技術などに裏打ちされた未知・新種ウイルス(ゼロデイ・アタック)を検知する技術の高さにある。実際、ドイツの独立研究機関、AV-TESTで史上初となる4年連続のベスト・プロテクション・アワードを受賞するなど、ウイルスの検知能力の高さは折り紙つきだ。

 マーティン・カントリーマネージャは、「エフセキュアは、マーケティングよりも技術に一番の投資をしてきた。業界トップの技術者を多く揃えていることが強みだ」とアピールしている。

キース・マーティン・カントリーマネージャ

地場パートナーと新規顧客の開拓へ

 同社が現在、戦略的にフォーカスしているのが今年3月に強化が図られたPSBの販売だ。PSBは、PCとモバイル端末に対応した端末管理ソリューションで、クラウド側で未知のファイルのスキャンや不正通信のブロックなどの制御を行うため、ユーザーが管理サーバーを設置する必要はない。専任の管理者を置けない中堅・中小企業などの小規模な組織でも初期投資を抑えて、運用に煩わされずに導入できる。

 「PSBは、500クライアントまでの環境を主な対象にしている。昨年からマイナンバー対応で自治体向けのビジネスに力を入れてきたが、とくに今年は強靱性向上モデルへの対応に取り組む自治体市場に向けてプロモーションを強化しているが、反応は好調だ」とマーティン・カントリーマネージャは説明する。

クラウド型セキュリティソリューション「プロテクション サービス ビジネス(PSB)」

 エフセキュアの製品は、以前から自治体や文教分野のユーザーに高く評価されている。同社の公共向けライセンスはユーザー数がベースのため、「強靭性向上モデル」のネットワーク分離で端末が増えたり、職員が自宅のPCやモバイル端末を使用しても余計なコストがかからなかったりする点も魅力だ。

 また、都道府県下の自治体を束ね、町村など専任担当者がいない自治体のインターネットのセキュリティ対策を担う「自治体情報セキュリティクラウド(セキュリティクラウド)」では、自治体が運用するメールサーバーやプロキシサーバー、ウェブサーバーの集約も想定されている。その際には、メールの無害化ソリューションなどを都道府県が調達することになるが、そうしたニーズにもしっかりと応えていきたいという。

 「これまで十分にアプローチできていなかった町村レベルの開拓には、パートナーの方々の力が不可欠。全国をカバーする大手の総合ITベンダー、地場に強い販社の方々と組んで、市場を開拓していきたい」(マーティン・カントリーマネージャ)と力を込める。

新サービスを投入、パートナー支援のさらなる強化も

 同社では今後、矢継ぎ早にさまざまな施策を打っていく計画だ。まず、日本でのビジネス拡大に伴い、人の採用も積極的に行っており、8月にはオフィスを内幸町に移転する。

 製品戦略では、先頃本社でスタートしたぜい弱性診断サービス「F-Secure Radar」の日本語化を進めており、10月をめどにサービスを開始する計画だ。診断結果をもとにしたセキュリィ対策コンサルティングも含めることで、ドアノックツールとしても有効活用していく。

 また、監視サービス「F-Secure Rapid Detection Service (RDS)」を来年スタートする予定だ。これは万が一、さまざまなセキュリティ対策が突破されても、侵入後の振る舞いを逐次、監視することで、被害の把握と的確な対応ができるようにするものだ。

 さらに、マーティン・カントリーマネージャは日本市場での販売強化のため、新たにパートナープログラムの整備を進めており、9月15日に開催する予定のパートナー・カンファレンスで明らかにするという。

 「販売パートナーの増加とパートナーの支援強化に力を入れる。日本ではPSBの販売を中心にパートナー向けトレーニングプログラムを拡充するなど、販売に応じてMDF(マーケティング開発資金)を還元する仕組みづくりを検討していきたい。製品の販売だけでなく、ぜひサービスも含めたソリューションを提供できる方々と組んでいきたい」と呼びかける。

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