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2017/04/06 09:07

[週刊BCN 2017年04月03日付 Vol.1672 掲載]

Special Issue

デル、EMCジャパン パートナーとともに成長へ 新生Dell EMC、ポートフォリオが完成 日本市場で本格始動

 デルとEMCが統合して誕生した“デルテクノロジーズ”とそのインフラストラクチャ・ソリューションズ製品である新ブランド“Dell EMC”。日本市場でのビジネスが本格的に始動した。新年度にあたる2017年2月、両社は製品ポートフォリオ、パートナープログラムを含め、機能的に統合。シェア拡大を図る体制整備を果たした。営業面と製品面のすべてにおいてワンストップで提供できるようになったことから、パートナーに対して、さらにきめ細かく支援できる環境が整った。「国内シェア倍増」に向けて、パートナーとともに成長することを目指していく。

(左から)
ソフトウェア・デファインド・ストレージ事業 担当ディレクター 林 孝浩
プライマリーストレージ 事業本部 本部長 渡辺 浩志
執行役員 アイシロン事業本部 本部長 倉橋 秀則
執行役員 パートナー事業本部 本部長 渡部 洋史
常務執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 統括本部長 山田 千代子
執行役員 副社長 インフラストラクチャ・ソリューションズ 事業統括松本 光吉
執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業本部 製品本部 本部長 上原 宏
コンバージドプラットフォーム&ソリューションズ事業本部 本部長 浮田 竜路
データ保護ソリューション事業本部本部長 今井 浩


「ワン・カンパニー」としてスタート

 統合会社として、昨年9月に米国で誕生したデルテクノロジーズ。世界180か国に拠点があり、全従業員数が約14万人、連結売上高約740億ドル規模の、最大手ITベンダーとしてスタートを切った。米国以外はビジネスの継続性を重視し、現地法人の統合を順次行うという方針から、日本では現段階で2社体制でビジネスを手がけているという状況だが、「両社のITシステムやファシリティ、営業評価や報奨制度を含めた売り上げ・利益管理、報告・レポーティングラインなど、機能を統合した」と松本光吉・執行役員副社長インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括は説明する。最も重要な営業面についても、「窓口を一本化している。これによって、実質的に“ワン・カンパニー”として、お客様やパートナー様をさらに支援できるようになった」と松本副社長は強調する。

ワンストップでITインフラを提供

 デルテクノロジーズの「Dell」ブランドの製品には、クライアントPC、ワークステーション、シンクライアント、IoTゲートウェイなどの製品がある。「Dell EMC」ブランドの製品には、サーバー、ネットワーク、ストレージ、データ保護製品、SDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)の他に、いま話題となっているコンバージドインフラも含まれる。松本副社長は、「ワンストップでITインフラのすべてをお届けすることができる」とアピールする。


統合効果を発揮したハイパーコンバージドインフラ(HCI)

 ワンストップでITインフラストラクチャを提供するポートフォリオが完成し、パートナーにとってはDell EMCとパートナーシップを組めば、さまざまなユーザーニーズに対応できる。なかでも、統合効果を発揮している製品がハイパーコンバージドインフラ(HCI)だ。HCI製品の「Dell EMC VxRail」「Dell EMC VxRack」のプラットフォームに、世界x86サーバシェアNo.1(*)のDell EMC PowerEdgeサーバーを採用し、Nutanix製ソフトを搭載したDell EMC XCを含めて、HCIについて業界随一の品揃えを提供している。

 また、世界シェアNo.1(*2)のデータ保護製品「Dell EMC Data Domain」とPowerEdgeサーバーを連携させたバックアップソリューションや、高性能なSDS製品の「Dell EMC ScaleIO」にPowerEdgeサーバーを組み合わせた事前検証済みの製品もリリースし、統合による製品競争力の強化につなげている。

 さらに、「今後、グループ内の中長期的な製品シナジーが期待できるのはフラッシュの領域だ」と松本副社長は強調する。オールフラッシュストレージの領域では、「Dell EMC XtremIO」などの製品で同社は世界No.1のシェア(*3)をもち、また、スケールアウトNASの「Dell EMC Isilon」でもオールフラッシュ化を進めるなど、業界をリードしている。現在、サーバー内蔵用途にもフラッシュの採用が急速に進んでおり、今後、ストレージとサーバーの両方の用途で、新技術の早期投入や標準化でDell EMCが益々、業界をリードする可能性が高くなることが予測される。

(*)出典: IDC Worldwide Quarterly x86 Server Tracker 2016Q4 「世界出荷台数」
(*2) 出典: IDC Worldwide Quarterly Purpose Built Backup Appliance Tracker 2016Q4「2016年世界出荷金額」
(*3) 出典: IDC Worldwide Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker 2016Q4「2016 年世界All Flash Array 出荷金額」


3年間で127億ドルの研究開発投資

 Dell EMC製品の今後の成長を占ううえで、見逃せないのが他社を圧倒する研究開発投資だ。具体的には、デルテクノロジーズ全体として、過去3年間で研究開発投資額は127億ドル(日本円で1兆4200億円超)にのぼる。直近では45億ドル(日本円で5000億円超)だ。松本副社長は、「これによって他社が追従できない技術を開発でき、サーバーやネットワークだけでなく、HCIやオールフラッシュで時代の最先端を走っていく」と断言する。

市場カバレージ x プロダクトポートフォリオの「2×2戦略」でシェア倍増へ

 デルテクノロジーズは、「国内IT市場シェア倍増計画-2×2戦略」を掲げて成長を図っている。これは、「パートナーシップ」を切り口に 五つの取り組みによって実現する。

 一つめは、デルとEMCジャパンが「ワン・カンパニー」として機能統合による一貫したオペレーションの推進。二つめは、デジタル変革を実現するコンサルティングアプローチやハイタッチ営業の大幅強化によって、ユーザーに信頼されるテクノロジーパートナーになること。三つめが、地域ごとのパートナーシップ強化やサービス/サポートの拡充による付加価値の提供で、SIerやリセラーとのパートナーシップを深めて全国のカバレッジを強化する。

 四つめは、日本初×日本発を実現するコ・イノベーション。IoTや組み込みソリューションなどを通じて、産業別の取り組みを推進する企業とのパートナーシップにより新規ビジネスを生み出していく。そして、五つめは通信事業者やクラウド事業者などとの戦略的パートナーシップだ。松本副社長は、「新たなパートナーシップに注力し、パートナーとともにシェア倍増を目指す」としている。


パートナービジネスは2倍の成長率

 デルテクノロジーズが掲げた「国内IT市場シェア倍増計画-2×2戦略」は、すべての取り組みに対してパートナーシップに重きを置いていることからも、パートナーを第一に考慮した戦略であるということがわかる。かつては、デルは直販をメインビジネスに据えていたベンダーだったが、パートナーとともに成長することが重要と判断。デルはパートナーとの協業強化を模索しながら、2015年8月、パートナービジネスのトップに松本副社長が兼務したほか、パートナー事業本部の各部門にパートナー事業に精通した人材が配置されて、直販中心のビジネスモデルを大きく転換した。業界を知る精鋭が揃い、パートナーと協業するビジネスモデルに大きくシフトしたわけだ。

 このような歴史のなかから、パートナーの価値を最大限に引き出す戦略を導きだし、注力してきたのだ。実際、「四半期ベースでパートナービジネスが昨年同期と比べて2倍の成長率を成し遂げている」と松本副社長は自信をみせる。パートナービジネスの伸長も貢献し、2016年第4四半期の国内x86サーバー市場でも前年同期比74%増(*4)と急成長。この結果、昨年度、デルテクノロジーズが展開する180か国のなかで、日本法人が最高業績を達成し、“Rising Star Performance Award”という社内の名誉ある賞を日本法人が受賞した。デルテクノロジーズとして本格始動し、2017年2月にパートナー制度が統合されたことからも、この勢いは今後も拡大しそうだ。

(*4) 出典: IDC Worldwide Quarterly x86 Server Tracker 2016Q4「国内出荷金額」米国ドルベース

成長分野で独走する

 松本副社長がパートナー事業本部長からインフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括になり、「われわれの製品・サービスを組み合わせた新しいソリューションを、パートナーとともに創造していく」(松本副社長)体制が整った。

 デルとEMCジャパンの社内のITシステムや制度、組織やパートナー制度、そして製品ポートフォリオなどを昨年9月から新年度にあたる2月までの約5か月にわたって整えてきた。統合が完了した今、デルテクノロジーズとDell EMCブランドが本格的に始動したといえる。「成長分野で独走する」と松本副社長。今後の事業拡大に期待がかかる。

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